本来は、手首の角度をキープしたままのノーコックで、タイガー・ウッズのようにコンパクトなトップを作り、いわゆる下半身の強烈なリードで切り返していくのが理想なのですが、それで十分なタメが作れて大きな飛距離を得るためには、まず上半身の動きが完璧であることと、下半身の強い筋力が条件なので、ハンデが5以下でも、本格的なアスリートタイプのプレーヤーでないと、コンパクトなトップから250ヤード以上キャリーさせるのは不可能でしょう。
一方で、多くの人は30代も後半になってからゴルフに夢中になり、一念発起してシングルを目指そうという訳ですから、若い頃の筋力、瞬発力は望むべくも無く、「打つ」という意識だけが強く右腕に伝わってしまうなどして、誰もがオーバースイング気味のトップになってしまいます。
でもご心配なく。これは決して悪いことではありません。女子プロの多くがそうであるように、鍛え抜かれたアスリートゴルファーでもない限り、トップである程度の反動をつけた切り返しを行わなくては、なかなか飛距離が稼げないのです。
スクエアなテークバックを行い、グリップが腰まで上がったら左腕を差し上げるという意識を持てば、たとえクラブの遠心力に引きずられても、トップでは自然と親指付け根方向への正しいコックが行われますから、少々のオーバースイングであってもプレーンに乗ったスクエアなトップになっているのです。トップで絶対に気をつけなければならないのは、やはり右腕に力が入ること
トップで右腕に力が入ると、これまでの苦労も水の泡。シングルなんて夢物語になってしまいます
というのも、アドレスからテークバックにかけて右腕に力が入ってクラブが寝ても、どうにかしてトップの形さえ正しく作ることができたら(ちょっと難しいですが…)、ダウンでクラブを立てることが可能ですが、トップで右腕に力が入ると、左手首が外側に折れて上体が突っ込んでしまい、いわゆるクロスした状態になるので、ダウンスイングでクラブを立てることは絶対に不可能になるのです。
さらに、ヨシムラ流のスクエアスイングでは、一般に言われているような下半身始動の切り返しをまったく意識しません。
下半身を意識すると、往々にしてスウェーを招きやすくなるので、少なくともハンデが5になるまでは、切り返しは左サイド、上半身から行うのが良いと思います。
何故なら、普通の運動能力の持ち主なら、上半身が正しく使えていれば、下半身も絶対に正しく使えているはずで、それが人の運動本能だからです。
本能の中には、意識して抑えねばならないものと、意識せずに放置していても良いものがあります。
ゴルフにおいては、抑えねばならないのが右腕の強さ。意識しなくてよいのが下半身の動きと考えればよいでしょう。
①コンパクトで理想的なコックだが完全にアスリート向き(正面、後方)
②正しくコックを使えば少々のオーバースイングは全然OK(正面、後方)
③右手に力が入ると左手首が外側に折れてシャフトがクロスする(正面、後方)
④下半身を意識せず上半身から切り返すのがヨシムラ流
⑤やみくもに下半身から始動するとスウェーしやすい
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