目指せ!ハイ・フェード -その1-
ヨシムラ流スクエアスイングのマスターは進んでいますか?
手首のロックや左肩からの切り返し、グリップの引き付けなどのマスターにより、腕を振らなくても、驚くほど強いボールが打てるようになっていることでしょう。
さらに練習を重ねていくと、飛球線方向のやや右側からボールが飛び出し、軽くドロー回転しながらターゲットポイントに到達する理想的なハイドローが持ち球になります。
ここで言うドローボールとは、一般にイメージされるフックボールとはまったくの別物。限りなくストレートに近い球筋のボールで、飛距離アップとスコアアップの大きな武器となるので、必ずシングルになれること請け合いです。
ただ残念なことですが、このままスクエアスイングを完全にマスターしていっても、残念ながら現実には、関西アマの決勝進出はもちろん、クラブチャンピオンや5下シングルになるのも難しいのが現実です。
何故か? それは、ヨシムラ流スクエアスイングのマスターで、目を見張るようなハイドローが打てるようになったとしても、そのスイングにはひとつの弱点が含まれているからです。
まず、ヨシムラ流スクエアスイングがドローボールになる理由から説明しましょう。
スクエアスイングは、切り返しのスタートを左肩で行います。いわゆる左サイドリードでダウンスイングを開始するものです。こうすることで自然なタメが作れ、クラブを立てたまま下ろしてくることができるのですが、ダウンスイングを左サイドのリードで故に、クラブは身体の回転よりも若干遅れて下りてきますので、厳密に言うとほんの少しですがインサイドから下りてきてしまうのです。
しかも身体は、水平回転といえども前傾姿勢を保ったままの回転運動ですから、インパクト付近で軽いアッパブローになってしまうため、先に述べたインサイドインの軌道との相互作用により、打出しをやや右方向にとったドロー回転のボールになるのです。
しかし、ドローボール自体が悪いというのではありません。
ハイドローといえば、少し前まで最強のボールともてはやされていましたし、現在も有力プロの何人かは、これを持ち球としています。
では、ヨシムラ流スイングの弱点とは何か?
それは悪いライからのアイアンショットにあります。
先ほど述べたように、ヨシムラ流スイングは決してダウンブローではなく、どちらかといえば払い打ちの部類に入りますので、ドライバーは勿論、フェアウエイやラフからのショットでは圧倒的な強みを発揮するのですが、残念ながら左足下がり、つま先下がり、ディボット、目玉のバンカーなど、ダウンブローでボールをつぶしにいかなくてはならない状況への対応に難点が生じてしまうのです。
5下シングルや競技レベルでの活躍を望むのであれば、あらゆるライに対応できなくてはなりません。
そのためには、ドローを持ち球にしているプロのように、状況によってアドレスの向きやボールの位置コックの量などの使い分けで臨機応変に対応するのもひとつの方法ですが、そのためには膨大な練習量とズバ抜けた感性が必要で、とても現実的とは言えません。
最も効果的なのは、もう1ランク上を行くスイング。つまり軽いフェードボールが打ち出せるようなスイングをマスターすることです。
では、何故最初からフェードボールの打てるスイングを指導しなかったのか?
答えは「ドローが打てなければ、決してフェードは打てない」からです。 つまり、ヨシムラ流スクエアスイングでドローボールをマスターすることが大前提。
次回はその辺の解説をじっくりと行いましょう。
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