Ⅳ.フォロースルー編
ローテーション不要!クラブの性能を引き出せ!
肘と手首のロックがスクエアスイングの基本ですから、インパクトで正しく身体が開いていると、グリップが身体の正面に納まって、手首はまったく返らず、そのままきれいなフォローに移行できます。(スイングフォロー写真33,34)
(スイングフォロー写真33) (スイングフォロー写真34)
これが、トッププロの誰もが実践している、クラブが立った正しいフォローです。
(スイングフォロー写真35、36)
(スイングフォロー写真35) (スイングフォロー写真36)
一方、インパクトで左肩と身体が閉じてしまっていると、手首を返さないとクラブが振り抜けなくなってしまいます。(フェースローテーション写真37,38)これがいわゆるフェースローテーションです。(フェースローテーション写真39,40)
(フェースローテーション写真37) (フェースローテーション写真38)
(フェースローテーション写真39) (フェースローテーション写真40)
何もフェースローテーションが悪いというわけではありません。
むしろこれを完全にマスターすれば、より強いボールが打ち出せますから、トッププロの中にもフェースローテーションを使っている人がいます。
しかし、支点をずらすことなくローテーションを使うのは相当なハイテクニックで、これができるのは少なくともハンデ3以下の技術の持ち主だけでしょう。
一般ゴルファーの30%は、ローテーションを使っていると思いますが、そのほとんどは、支点が飛球線方向にずれているのを、手首だけではなく肘まで返してごまかしているスイングです。これでスコアをまとめるには、相当のキャリアと練習量が必要で、少しでも練習をサボるとボールが散らばってしまうはずです。
また、ローテーションヒッターは使用クラブも限られてしまいます。
重心距離の長い大型ヘッドはターンしにくいので、小振りのシャープなヘッドしか使えません。
一昔前まで、ほとんどのプロが300cc以下のシャープなヘッドにこだわっていたのは、彼らがパーシモンやメタルヘッドの時代に、フェースローテーションの技術を完璧にマスターしていたからです。ところが、最近ではプロ仕様のヘッドもドンドン大型化しています。これはプロが最近では、フェースローテーションを使わないスイングに変化してきた証拠です。
逆に、一般ゴルファーの70%近くは、ローテーションを使っていません。というより使えないのです。支点がずれた上に、利き腕である右腕をそのまま押し出したスイングしかできていません。当然ですがスライスボールしか打てません。
しかし各メーカーはこのボリュームゾーンに、ヘッドが簡単に返ってボールのつかまりが良い高性能クラブをバンバン投入してきていますから、高性能クラブの恩恵にあずかるにも、フェースローテーションは不要なのです。
左脇を開ければフォローでクラブが立つ!
一見すると、ローテーションを入れた方が、いかにもカッコ良いスイングに見えますが
(フォロー写真41,42)、高性能クラブの機能を存分に引き出してロングドライブを放つには、手首をロックして身体の正面に保ち、身体を回し続けるヨシムラ流スクエアスイングが最適です。
(フォロー写真41) (フォロー写真42)
ダウンスイングでグリップが腰の高まで下りてきたらスイングを終え、あとは身体を回し続けることが実践できると、クラブが立ったままでフォローが完了するのですが、インパクト付近でりきんでしまうと、どうしても左脇がギュっと締まって、身体の回転とグリップの位置がシンクロせずに手首が返ってしまいます。
どうしてもりきみがでてしまうという人は、ボールをヒットしてからは、身体の回転を持続させながら左脇を開けていくような気持ちで振り抜いていってください。
普通のアドレスから、左打ちの要領で、通常のテークバックとは逆に左肩甲骨または右肩を意識してトップを作ってみてください。(フィニッシュ写真43)
トップができたら、顔を通常の飛球線方向に向けます。
左脇がきれいに開いているのがおわかりでしょうか?
(フィニッシュ写真43)
どうですか?これがスクエアスイングのフィニッシュです。
駆け足で進行しましたが、以上で「スクエアスイングへの道」の総論は終了です。
各論に踏み込んで、もっと詳細に述べる必要もあるかと思いますが、まずは、クラブを立てたままテークバックを行い、身体の回転を続けながらクラブをストンと下ろせばスイングが終了するということをマスターしていただきたいと思います。
そのためには、手首のロックやテークバックでの右肩甲骨始動、ダウンスイングでの左肩始動が有効で、こうすることによってグリップが常に身体の正面に保たれるので、クラブの支点がしっかりと固定され、結果としてスクエアなインパクトになるというわけです。
また、今回は下半身の使い方、特に体重移動については一切触れていません。
これは、ヨシムラ流スクエアスイング理論に従ってテークバックを右肩から、ダウンスイングを左肩から始動することによって、自然な体重移動が行なわれるからです。
意識的な体重移動は身体の回転を阻害してスウェーの原因となります。
スイングの結果として行なわれるナチュラルな体重移動に勝るものはありません。
最後になりますが、非力な女性やシニアプレーヤーの中には、手首を使わなければどうしてもテークバックできないという人がいらっしゃいますので、このスクエアスイングが万人に適しているとは思いませんし、グリップをロックすることや、肩の開きや身体の回転をマスターするには、体力だけではなく、運動能力、センスといったものが必要なのも事実です。
学生時代に球技などの運動経験のある方がベターですが、最低でも普通にキャッチボールができる程度の運動能力は必要でしょう。
そういう意味で、スクエアスイングはアスリート向きだといえますが、ゴルフは純然たるスポーツですので、運動能力の高い人が有利であることは間違いありません。
しかし、基礎的な運動能力さえあれば、スクエアスイングをマスターすることによって42~3m/秒程度のヘッドスピードで250ヤード以上のロングドライブも可能になりますし、スイングをマスターしたうえで、自分の技量にマッチしたクラブをチョイスすれば、例えば中学野球しか経験の無い人が、プロ野球選手をアウトドライブすることも夢ではなくなります。
さあ、一日も早くスクエアスイングをマスターして、誰もが目を見張る「正確性を兼ね備えたロングヒッター」に変身しましょう。
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