2003年4月某日
■手首のロックが上達の鍵
これまでスクエアなオンプレーンスイングの作り方について述べてきた。しかし、プレーンに沿ったスイングが出来ているかどうかを自分で判断するのは難しい。そこで、ひとつ簡単なチェックをしてみよう。
グリップを身体の中心に保ったまま、右脇、右肩、右肩甲骨周辺からテークバックを始動して、グリップが腰の高さまで上がった所でスイングをストップする。この時に、手首がロックされて、身体と正対したままアドレス時と同様の角度をキープできていれば、スムーズにスクエアスイングが体得できるのだが、残念ながらハンデ10以上の一般プレーヤーで、これが確実に守れている人は20%以下に過ぎない。残りの80%は、グリップが腰の位置まできた時点で、すでにプレーンから外れたスイングになってしまっている。そして、プレーンから外れた人の9割以上は、テークバックを開始すると同時に、左手の甲が上を、右手の甲が下を向き始め、手首がインサイド側に折れて、クラブが寝た状態になった人だ。手首を折ると、楽にクラブが上がるように感じるので、どうしても身体がそう動いてしまうのだが、手首が折れるとヘッドは上がるが、実際にはクラブ自身は寝たままで上がってはいない。
■手首が折れるならシングルは無理
寝たままのクラブを上げようとすると、クラブはプレーンの内側に外れたままトップを迎える。しかし人間とは恐ろしいもので、クラブがプレーンから外れたことを本能で感知し、トップからダウン、インパクトにかけてなんとかクラブをプレーンにしようとして身体が自然に反応するのだ。そして、反応の仕方が3種類。
右肩を残してテークバック時同様に、クラブをプレーン内側からそのまま下ろしてきてインパクトでリストをターンさせて飛ばす返タイプ。
手首が折れる人の20%。たまにチーピン、プッシュは出るものの、ボールは上がってソコソコの飛距離を出す。グリップがあまり先行せず、スイングトレーナーで打つと、本来より低目の弾道ながらもドローボールが打ち出せ、距離が出るので安心するタイプ。スイングもスムーズだ。しかし、このタイプはHC15までは簡単に行けても、毎日ラウンドしてアプローチ、パターを徹底的に鍛えでもしないとシングルにはなれない。右肩が残ったままなので、ドライバーは打てても、前下がり、左足下がりではヘッドがボールに届かない。6インチルールで好成績は残せても、クラブ競技ではスコアを出せない。当然アイアンよりもドライバーが得意。練習場シングル。
クラブが寝て開いたヘッドを本能的に閉じよう、ボールをつかまえようとして、右肩を突っ込ませ、プレーンよりインから上げて、プレーンより外側から下ろしてインパクトを迎えるタイプ。
ヘッドがカットに、しかもロフトが立って入ってくるので、ドライバーは、ボールがつかまらない、上がらない、飛ばないの三重苦。手首が折れる人の50%はこれ。スイングトレーナーを使うと、左方向への低いボール、下手をするとゴロしか打てないので、一見すると丸っきりのヘタクソなのだが、「所詮は距離のでないスライサー」だと自分を納得させて練習に励めば、HC8までにはなれる。カット軌道で上から叩けるので、ミドルアイアンまでならボールがつぶせて距離も出る。叩けるショートウッドを多用し、アイアン、ウエッジ、パターを鍛えれば①の人よりも上に行ける。ただし、ドライバーの飛距離は追わずに、フェアウェイキープに専念することが条件。スコアがまとまるので①の人に嫌われるタイプでもある。
トップで右肩を残してシャフトを立てようとしてプレーンとクロスさせてしまい、右脇が空くのだが、そこで本能的に右肘を絞ってしまって、結局、再び内側のプレーンに戻ってしまうタイプ
手首が折れる人の30%がこのタイプで、いわゆるループスイング。グリップが先行しやすく、クラブがインから来るので、ヒールが出てフェースが開くうえにロフトが寝てのプッシュスライスが多く、うまくヘッドが返っても、ロフトが立っての低いフックになってしまう。しかし、何かの拍子に偶然のジャストミートができて、強烈なハイドロ-を打ち出すことがあるので、ロングドライブばかり追い求めるタイプ。スイングトレーナーでは、まったく方向が一定しない。飛距離を捨てて、当てることをマスターすればHC12までにはなれるが、シングルは無理。もっともタチの悪いスイングだ。
以上、長々と述べてきたが、要するに、グリップが内側に折れているようじゃあ、絶対にオンプレーンのスクエアなスイングにはならないし、毎日ラウンドでもしない限りはシングルになれないっていうこと。今日からは、テークバック時の手首の角度をしっかりチェックしながら、スクエアスイングの効果的な習得に励みましょう。
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