2004年1月31日
■自分の軌道が分かっていますか?
アベレージのほとんどは右肩が前に出てしまってカット軌道になるのですが、これだとダウンスイング中に体重が左足に移ってしまい、目標とする飛球線よりも左方向に、力のないボールが飛び出します。
次に多いのが、そこからレベルアップして、右肩を残すことができ、インサイドアウト軌道でスイングしているつもりの人。
本人はこれでドローボールが打てると思っているのでしょうが、いくら右肩が残っていても、スライスを嫌ってインパクト直前で右手首を返してしまうため、結果的にヘッドがカット軌道になってボールは左に飛び出します。上手くボールがつかまっても左方向へ一直線かチーピンになってしまいます。
「ターゲットよりも左方向にボールが飛び出す人は、カット軌道」になっているということを知って欲しいと思います。
多くのゴルファーはドローボールを打ちたい(ヨシムラはそういう指導はしませんが・・)と思っていますから、ソコソコのレベルになるとインサイドアウト軌道の人が多くなってきます。ハンデ20を切るようになると、手首のターンもなくなり、タイミングが合うと素晴らしいボールを打つのですが、目標方向より左に出てのチーピンや、右へ出てのスライス・・・と、方向がままならず、ハンデもスムーズに減らない人を多く見受けます。
こういうタイプは、飛ばしたい気持ちが強すぎて、トップで切り返すと同時に、身体の軸が飛球線方向にズレてしまっている場合がほとんど。軸のズレによってダウンでクラブが寝てしまう上、左足一本で伸び上がりながらボールをヒットするような格好になるので、スクエアなインパクトが望めないのです。
同じインサイドアウト軌道でも、中級者以上になるってくるとさすがに軸のズレが少なくなり、アドレス時の手首の角度をキープしたままインパクトを迎え、身体が伸び上がることなく肩と肘で振り抜いて、飛球線より右方向に迫力十分のハイドローボールを打ち出してきます。
実際にこのレベルのスイングができる人は、インサイドアウト軌道の人の30%というところでしょうか。
しかし、インサイドアウト軌道というのは、クラブが内側から入ってくるため、どうしても身体の軸が左サイドつまり飛球線方向に動きやすいので、いくらシングルであっても、ややもすると軸が動き勝ちでクラブが寝易いという欠点があります。結果、フェースが開いてのプッシュスライスに泣かされ、一度スライスしてしまうと、次はどうしても手首を返したくなってしまうのが人情なので、ヘッドが急激にターンして強烈なチーピン・・・。 また、上手く身体を回転させて軸のブレが防げても、今度は右ひじを絞りすぎてのプッシュスライスと、クラブ競技などでも今ひとつ安定感に欠けるところがるのではないでしょうか。
つまり、インサイドアウト軌道というのは、飛距離の魅力はあるけれど、それだけに危険なスイング軌道だといえるのです。
もちろん片手シングルやプロゴルファーにもインサイド軌道のドローヒッターは数多くいます。
しかし、一般のアマチュアが身体の回転をゆるめるようなタイミングで、身体の正面でインパクトし、飛球線方向に対してアウトサイドに打ち出していくのと違い、プロやトップアマは股関節の切れを生かし、身体を一気に回転させながら、インパクト時には身体をやや開き気味にし、身体に対してアウトサイドに打ち出しながらも、飛球線方向に対してはスクエアな軌道でスイングしていることを知っておくべきでしょう。
少し長くなりますが、重要なことなので、一気に話を進めたいと思います。
アウトサイドイン、インサイドアウトのスイングについて述べてきましたが、陥りやすい欠点として両方に共通するのが、右手首のターンとスイング軸のズレです。
まず手首のターンをチェックするために、常日頃からゆっくりとハーフショットの素振りを行ないながら、アドレス-テークバック50cm-インパクト-フォロー50cmのそれぞれの個所で、常にフェースのロフト角度が変わっていないかどうか確認してください。
ヨシムラのスクエアスイング理論のように、ロックした手首を身体の正面に保ったままだと簡単なことですね。
チェックが済むと、次は極力右手を使わないスイングをマスターするために、左手は普通に握ったまま、右手は中指と薬指だけでグリップしてボールを打ちます。
普段から左腕のリードで打てている人は飛距離が落ちませんが、右腕使いの人は大きく飛距離を落とすどころか、ボールに当てることも難しいはず。
自分が右腕使いだと判ったら、9Iやウェッジを左手1本で振る練習。
しっかりとつかまったドロー回転のボールで50ヤード飛ばすのが目標です。
こうして右腕使い、右手首のターンを、頭と身体から追い払います。
前回も書きましたが、腕は、トップまで引き上げたグリップが、ダウンスイングで外へ振られようとするのを防ぐために、自分の身体に向かって、つまり真下に30センチほど引き付けるために使うだけです。左腕スイングをマスターすると、この引き付けも身に付きます。
ホント、長くなってしまいますが、もう少しのご辛抱を・・・。
次に軸のズレつまりスウェーの解消ですね。 テークバックからトップにかけて、腕もクラブもすべてが身体の右側上方に移動します。ダウンスイングは、そこから左下側に打ち下ろす作業になりますから、人間誰しも本能的に左側へのスウェーが生まれます。
しかし、自然なスウェーに身を任せながらダウンスイングを行なうと、インパクトでアドレス同様に左右の5分5分に戻したい体重が、インパクト前に左足に移ってしまいます。
それを防ぐには、右足の踏ん張りが必要です。トップの位置で軸をブラさずにゆっくりと身体を回転させてみると、右足体重なのが分かります。しかし実際のスイングでは、身体の左への回転にヘッドの遠心力が加わるため、右足体重のままインパクトを迎えるぐらいの意識を持って右足を踏ん張らないと、インパクトでアドレスが再現できません。
そうするとフォローにかけての体重移動や右足の蹴りが自然と完了するのです。
「右足の前でインパクトするイメージを持て」「身体の右サイドでボールをさばけ」というのはこういうことです。
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