「アメリカン・スクエアスイングへの道」11
-クォーターショットを意識するだけで200ヤードOVER-
7アイアン等ではハーフスイングを意識するだけでコンパクトなクォーターショットになってヘッドが走り、力任せにスイングしていた従来のフルショット同様あるいはそれ以上の飛距離が出たのに、何故ドライバーのハーフスイングでは150ヤードしか飛ばないのでしょうか?
その原因はクラブの長さと重さの違いにあります。
軽量スチールの7アイアンは平均すると37インチ、400gくらいのスペックなのですが、軽量スチールアイアン使用者のドライバーは45インチ、300g程度になり、アイアンの方がずっしりと重く感じます。
しかもヘッド重量はアイアンが260g、ドライバーが200g程度ですから、短くて、全体に重量を感じやすいアイアンでハーフスイングを意識すると、その重量に引きずられるようにクォータースイングの位置まで腕が上がり、自然とコックが入ってきます。
7Iではハーフイメージでコックが完了する(写真左)
ドライバーのハーフショットではコックが完成しない(写真中央)
クォーターを意識すればコックが完了する(写真右)
これは理想的なナチュラルコックなので、ハーフスイングを意識するだけで充分な飛距離が得られる訳です。しかし、ドライバーの場合、ちょっと物理の問題のようになってしまいますが、長くて軽いのでクラブの重量を利用したナチュラルなコックが入ってくるのは、アイアンの時よりも遅くなってしまいます。つまり、アイアン同様のハーフショットを意識しても、ドライバーではナチュラルコックは完成しません。
つまりノーコックスイングしかできない訳で、正しくスイングすると、ドライバーのハーフショットは150~160ヤードしか真っ直ぐ飛ばないが正解です。
でも、これでは面白くありません。
そこで、ドライバーに限ってはクォータースイングを意識してみましょう。
フルショットの7割程度のスイングを意識するだけでナチュラルなコックが充分に入ってきます。
そこからレッスン9・10でマスターしたようにブル~ン、ダラ~ンとスイングします。
こで注意したいのが、グリップが体から離れていくこと。
ドライバーはシャフトが長いため、アイアンよりもフラットな軌道になって、ダウンスイングの途中から、クラブを外へ外へと引っ張っていく慣性モーメントが強く働くのでアイアンよりもグリップが体から離れやすいのです。
しかも「シャフトが長い=ボールが遠い」という理由から、当てたい意識がアイアンよりも強く働いてしまうので、どうしても腕主体のスイングに陥りやすい。
前傾キープ、左脇締め、右手握手でインパクト(写真左)
前傾キープでクラブが鋭く振り抜けていく(写真右)
それに対処するため、特にインパクトゾーンで体の前傾角度のキープと左脇の締めを意識し、インパクト後は右手で左側の人と握手するという基本をしっかり守らなくてはいけません。
以前のヨシムラのレッスンでは、ドライバーのモーメントに対抗するために、グリップを右太腿付近に引き付ける意識を大事にしていましたが、この感覚をつかむのはなかなか難しかったようで、ほとんどのゴルファーにとっては左脇を締めてブル~ン、ダラ~ンとスイングし、右手での握手を意識する方が簡単だと思います。
それでは、ナチュラルコックのクォータースイングで、これまでしっかりとマスターしてきたブル~ンダラ~ン感覚でドライバーを振ってみましょう。
前傾キープ、左脇締め、右手握手がきっちりとできていれば、グリップが先行せず、いわゆる右足の前でボールが捌け、インパクトゾーンでヘッドが目標方向にビュ~ンと走るはずです。
そうすると、ハーフスイングの時よりもはるかに高い弾道の強いボールが打ち出されて、キャリーで200ヤード程は飛んでいくのですが、飛距離が出なかったり左右にボールが散らばったりするのは腕主体のスイングになっている証拠です。
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