「アメリカン・スクエアスイングへの道」6 -ショートスイングでターゲット感を身に着ける-
5章に引き続き2本のアイアンをセットし、いよいよボールを打っていきます。
5章で述べたように、ショートスイングは、ボールをターゲットにスクエアに打ち出す感覚を養うためのアンコックなスイングなので、飛距離を気にせずに練習しましょう。
① 前章でセットしたアイアン2から、両足つま先を10㎝ほど離してアドレスし、4章で学んだように、体の中央にボールを置きます。
これが7番アイアン以下のショートアイアン、ウエッジのボール位置でしたね。
それでは、まずは正しいグリップになっているか改めて確認しましょう。
この作業はショットの前の確認動作として、ルーティーンに組み込むと良いでしょう。
左手と右手を離した状態にして、それぞれ正しくグリップし、シャフトを地面と水平にセットします。
これを確認してから改めて右手をグリップします。
この時フェースがややシャット気味になっているのが正しいグリップです。
② 前傾姿勢に注意して正しくアドレスし、20~30ヤード のランニングアプローチを行う要領で、実際にボールを打ち出していきましょう。
まず、グリップをアイアン2に沿わせるようにして、 左腕が8時の位置にくるまでグリップの形と向きを変えずに、真っ直ぐにテークバックします。
この時重要なのは5章でマスターしたように、自分の右側に立っている遠くの人と左手で握手する要領でテー クバックすること。真後ろにかなり長くテークバックするようなイメージになりますが、そうすることで、腕と体がシンクロして肩と腰が回転し、右のお尻、右太もも、右ふくらはぎに張りが出て右の股関節にウエイトが乗ってきますし、左肩が突っ込むこともありません。
③ アイアン2にグリップを沿わせて、正しく遠くへテー クバックするには、左手での握手が重要なポイントになりますので、左腕主体でテークバックする方がうまくいくと思います。
そして、シャフト2に沿って真っ直ぐ後方に引いた正しいテークバックでは、コックも使っておらず、両腕の三角形はまったく崩れていないはずなので、腕が8時の位置にきた時には、クラブフェースは必ず閉じているはずです。
ショートスイングのドリルでは、ここでフェースが閉 じていることを常に確認してください。
④ 8時の位置から切り返して、再びシャフト2に沿って ランニングアプローチの感覚でゆっくりとスイングしていきます。
ショートスイングのドリルで最も重要なのは、ダウンスイングで右肩を被らせないことにあるので、右グリップをシャフト2に沿わせてストレートなラインに通していくことが重要になります。
そして、左腕が4時の位置に来た時、今度も5章でマスターしたように、左側に立っている人と、右手で握手する要領でフィニッシュします。
右手の握手を意識するだけで、右グリップがストレートなラインに乗り、テークバックでは軽く開いた右脇が、ダウン、インパクト、フォローにかけてギュッと締まって、右肩は決して被ってこずに、右脇がしっかり締まったまま、右手が飛球線方向に真っ直ぐ放り出されます。
⑤ フルスイングにおけるダウンスイングでは、左サイド 主体になりますが、体重移動のないショートスイングのダウンを左腕でリードすると、右肩が下がりやすくなります。
このドリルは左肩が被るのを防止するのが目的なので、ショートスイングでは、左手で上げて右手で下ろすイメージを持っていただいて良いでしょう。
体重移動がないので、左股関節に軽くウエイトが乗った状態で、右手の握手ができれば、両腕で作る三角形が崩れないきれいなフィニッシュになります。
⑥ 正しいショートスイングができているかどうかの確認は、ボールがシャフト1に沿って真っ直ぐに打ち出されているかどうかで行います。
20~30ヤード真っ直ぐに飛べば完璧。
それ以上飛んでしまうなら、テークバックが大きすぎます。ボールが左右に散らばるようなら、グリップがシャフト2のラインから外れています。
左に飛ぶのは、右肩が被っているのが原因。
右に飛ぶのは、右肩が下がってインサイドアウトのすくい打ちになっているのが原因。
左手と右手でスパッと握手できていれば、ボールは真っ直ぐに飛んでいきます。
ショートスイングのドリルでは、5章同様にシャフト2のラインに沿って、握手を意識して腕を振るだけで、腕と体がシンクロし、肩と腰が充分に回転したボディターンスイングが完成することを実感してほしいと思います。
ショートスイングを正しくマスターできなければ、クラブの重量で遠心力が加わった時に、インパクトからフォローにかけてヘッドを真っ直ぐに打ち出すことができません。
くれぐれも、左右の人と握手する意識を忘れずに練習を積んでください。