「アメリカン・スクエアスイングへの道」2 -グリップ-
正しいグリップのマスターから始めよう
グリップについてヨシムラ流では「フックに握る」という漠然とした表現しかしていませんでした。
ちょっとアバウト過ぎたかも知れませんね。
ではさっそくAMGTFの教本にしたがって、写真を見ながら正しいグリップの作り方、手順をマスターしていきましょう。オーバーラッピング、インターロッキングいずれの握り方でもOKです。
① 左手を上からまっすぐに下ろしてきます。握手する要領で、この時、
手のひらは地面と垂直になるように下ろします。
② 左手のひらを真上に向け、左手の中指第2関節から
小指付け根にかけてのラインにグリップが乗るようにします。
ここでは、グリップは横からではなく、下から握るということをマスターしてください。
③ グリップが正しいラインに乗ったら、
小指、薬指、中指の3本で握り、左手のひらを
グリップに隙間なく密着させるようにして被せていきます。
④ 最後に親指をグリップに乗せていきますが、
この時、親指の付け根と人差し指の付け根との間にできたシワのラインが
右脇ないしは右肩を指し、いわゆる3ナックルの状態になっていれば左手グリップの完成です。
⑤ 左手が完成したところで、右手のひらを地面と垂直にして、飛球線後方からあてがってきます。
⑥ グリップの下側から、右手中指と薬指をからめていき、
続いて左手親指と右手のひらの生命線を重ねます。
ここが最も重要なので、親指と生命線は必ずきっちりと重ねることができるよう、
常にチェックする習慣をつけましょう。
⑦ 左親指と右生命線が重なっていることを確認して、
右手のひらを被せ、右手親指をグリップに乗せます。
正しくグリップできていると、右手親指の付け根と人差し指付け根とに間にできたしわのラインが、左手グリップと同様に、右脇ないしは右肩の方向を綺麗に指すはずです。
そして最後に、やや間の開いたままになっている右手親指と人差し指の先を、布を摘まむ要領で軽く閉じればグリップの完成です。
低いグリッププレッシャーで正確かつソフトに握ろう
グリップで注意すべきは2つ。
まず、グリップは左手、右手ともに常に指の位置をしっかり確保し、下側から握るということ。
そうしないと、正しいフィンガーグリップになりません。
次に、左手親指と右手生命線を正確に重ねること。
これで、両手のひらが平行になり、両手の一体感が強まります。
最後に、グリッププレッシャーについてお話ししましょう。
一般的には左手の3本指でしっかり握ると指導されていますし、ヨシムラ流でも、不要なコックを制御するためには、やや強目のグリップの方が左手首の角度を保ちやすいと思っていたのですが、AMGTFはグリッププレッシャーを「他人がシャフトを引っ張って、スッと引き抜ける程度の強さ」つまりかなりのユルユルグリップが正しいと規定しています。
その理由は「緩めのグリッププレッシャーでないとナチュラルコックできない」というものです。
ナチュラルコックは、1章で述べたシャフトプレーンで、ヘッドの重みを利用した強いボールを放つための強力な武器となりますので、スイングのところで詳しく解説したいと思いますが、ここでは、手順を守って正確かつソフトに握ることをマスターしてください。